菩薩か…
同居してからの諸々、実家の母に愚痴っている。
自分たちとは全く違う生き方をしている義両親に絶句しつつも、
「でも、(息子)ちゃんを可愛がってくださるんだから」
「あなたの家事を手伝ってくださるんだから」
と、決して私に完全同意して罵倒するなんてことはしない。
父は、人間的にどうしようもない人だと思っているが、それでも家族をきちんと守ってくれていたし、子供に迷惑をかけるなんてことは絶対しないように考えてお金も貯めてきた。
母は、専業主婦で、結婚した時から義両親とずっと生活していた。
祖父母にきつくあたられている母を見ながら育ったので、同居の大変さというか、壮絶さはわかっているつもりだった。
母は、家事の一切を一人でしていた。
趣味に生きる祖母と、何もしないで文句を言いつづける祖父とに、文句を言わせてなるものか、と、
歯を食いしばって過ごしていた。
それでも細々としたことで散々文句を言われていた。
なんというか、私にとって「母」はやはりすごい人で、
世の中の「母」という人はだいたいそういう人だと思っていた。
でも、義母は違った。
人のことを顧みず、自分が一番で、そのためには嘘もつく。
やはり、同じ人間だとは思えない。
そう言う私に、母が言った。
「お金のことは大変だろうけど、
貸しが増えて行くと思って。
それがいずれは
徳を積むことになる
んじゃない?」
すごいな、うちの母。
そんな風に思えるようになるには、私はまだまだ修行が足りない。