鏡餅
年末。
わたしの実家に帰省する直前に、義母から声をかけられる。
「お餅、買ってこようと思うんだけど。」
わたしの実家は、田舎ではないが、父が、なぜか毎年餅つきをする。
昔は父のお客さんにお歳暮だか年始回りだかに配っていたのだが、
今では、孫たちが喜ぶから、という理由だけで、同じように続けている。
24升。
12臼を撞くのは、なかなかの体力勝負である。
うちの子が中学生になる頃には、なくなるかもなー、と思いながら、毎年ついている。
なので、毎年夫の義両親にもつきたてを送っていた。
「お餅、いつも通り送りますよ?」
「あら、そうなの?
一緒に住んでるから今年は無いのかと思って。」
「いえいえ、いつも通り、丸餅とのし餅と送る予定なんで。」
「あら、そう。でも、鏡餅にするとカビはえちゃうから。カビはえても大丈夫?」
や、大丈夫ではない。
「お鏡さんにするなら、サ◯ウのお餅でも買ってきてもらえれば、はい。」
「そ?
じゃ、鏡餅、どこに飾っとけばいい?
テレビとピアノとあとどこ?」
テレビ??
「え、お鏡さん飾るの、テレビなんですか?」
「そうよー。
鏡餅は、お世話になってるとこに飾るんだから。
一番お世話になってるのはテレビでしょう?」
ごめんなさい、飾ったことなかったです、ごめんよテレビ。
「そうなんですね…
私、おくどさんとかには飾りますけど、テレビは思いつかなかったです。」
お世話になる物(場所)、
第1位、
テレビ でした。
4日に帰宅したら、なんもなかったですけどね。
相変わらず、謎な方です。
そんな感じで。
みなさま、今年もよろしくお願いします。